『明るく、素直に、感謝して生きなさい』
私のすぐ上の兄が6年間の寺修行を終え、2009年春に突然私の前に現れた時に何度か口にしていた言葉です。
2011年3月11日、その兄は南三陸の実家で亡くなりました。
生前、兄から聞いたその言葉が、私の心から離れなくなっています。
小学生でもわかるこんな言葉が、今更ながら私の心の奥底で響いています。
つまり私は、こんなこともわかっていなかったということなんですね。
50年以上生きてきてやっと、大切なことなんだと思うきっかけができたということです。
これまでわたしは、「感謝」という言葉を何度も目に触れ耳にしてきました。
しかし今になって少しずつ、有難いという気持ちや恩恵を受けて生きているということを理解できるようになってきたのでしょう。
そしてそれが、すべてに影響するものなのかも知れないと思うようになりました。
閉塞感や不安、悩みなど、いつも何かを求めている満たされない思いを埋めるものは「感謝」。
自分が追い求めている何かは、実はいつも自分と隣り合わせにあります。
それは異次元にあるものではなく、心の持ちようによって現れてきます。
気づくか気づかないかの違いだけですから。
だから『しあわせ』も同じことだと思うのです。