比べようのないもの

 

3,11直後TVのCMが一斉に消え、公共広告機構の広告が流れ続けていました。

何度も流れる広告の一つに、金子みすゞの『私と小鳥と鈴と』の中の「みんなちがって、みんないい」が流れていたのを覚えていますか?

「ぽんぽん、ぽぽーん」の方が印象的だったかも知れませんが(笑)。

 

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人は比べようのないものです。

でも私たちは、小さいころからずっと人と比べられ、人と比べて生きてきました。

多分、今の子どもたちも同じように生きているのではないでしょうか。

 

私は、人と人を比べないようにすることが、とても大切なことだと思えるようになりました。

なぜならば比べた側も比べられた側も、それぞれ心の中に湧き上がる想いがあり、良い悪いは別にして、多くの人は大なり小なりその想いに左右されて生きていくことでしょう。

苦悩やストレスも、比べ比べられることに起因していることが多いといえます。

 

人は比べることで、優越感や劣等感を味わいます。

また本来はそれぞれの良さや持ち味がある状態にも拘わらず、当事者や第三者が比べることによって勝敗や序列、貧富、幸不幸、老若など、過度な思い込みや決めつけに変化していきます。

つまり自分らしく生きることからすれば、それを妨げる要因だということです。

 

そもそも誰も、人と人を比べることも評価する権利ももっていません。

そんなことを拠り所に生きていると思っても、いずれそうではなかったことに気がつきます。

拠り所は、自分らしく生きる心の中に育まれていくものなのでしょう。

 

「人は比べようのないもの」と理解しそのことに注意を払うようになると、自ずと心が解放され、自分を生きることに専念できるようになるのではないでしょうか。